資格勉強では、難易度ごとに合格するために必要となる勉強時間があります。あくまで目安なので、この時間勉強できれば大丈夫というわけではありませんが、時間をかけて量をこなす必要があるように感じませんか。しかし、勉強時間を確保することは社会人にとって難しいことであります。だからこそ、効率よく勉強することが大切なわけです。
今回は忙しい社会人でも資格に合格するために時間を確保する方法や効率的な勉強方法について紹介します。

社会人が勉強時間を確保できない理由

社会人が勉強時間を確保するのは難しい理由は以下の3つが考えられます。勉強時間が少ないと感じているなら、当てはまる項目がないかチェックしてみてください。

仕事が忙しい

一番の原因は、やはり仕事が忙しいこと。時間に余裕のある人でも平日に勉強できる時間はせいぜい2時間ではないでしょうか。まったく時間がとれないならば、異動や転職を考えてもいいでしょう。

無駄な時間が多い

1日の過ごし方に無駄が多く、ゲームやSNSに熱中してしまったり、急に部屋を掃除しだしたりと勉強時間が確保できないかもしれません。無駄な時間が1分程度であっても積み重ねていくと、勉強時間は短くなる一方です。時間の使い方を見直し無駄をなくしましょう。

計画が曖昧になっている

資格取得のための計画が曖昧な場合、迷いも多くなります。勉強時間を確保できてもモチベーションも上がりません。勉強を始める前に明確な目的意識を持ち、ゴールに最短でたどり着くために具体的な学習計画を立てましょう。そのための施策として有効なのが先にスケジューリングしてしまうことです。1日のスケジュールの中に、勉強時間を組み込んでください。「時間が空いたら勉強しよう」だと、他のことで時間が使われ勉強できません。

忙しい人でも勉強時間を確保する方法

資格勉強を確保しやすい具体的な時間帯についてご紹介します。

早朝・起床後

早朝の時間帯は集中しやすく、勉強が捗りやすいとされています。それは、人間の脳は睡眠をとることで情報や記憶が整理されます。そのため、睡眠から目覚めた時に一番脳が記憶する容量が大きい状態なのです。そして、勉強をするときは空腹状態がいいとされています。人間の脳は、空腹になると記憶力が高まる性質があるため、起床後の空腹状態は勉強に適しているといえるでしょう。普段より少し早起きして、資格勉強の時間に充てることで集中して勉強しやすくなります。
また、出勤や通学までの時間が限られているため、タイムプレッシャーの効果も得られます。タイムプレッシャーとは自分の作業時間に制限時間を儲けることで、集中力が高まるそうです。例えば試験開始前の最後の見直し中はかなり集中していますよね。朝の時間帯は、同じ効果が望めるということです。

通勤・通学時

通勤・通学にかかる時間は毎日ほぼ一定のため、区切りがつけやすいのが特徴です。
そのため、通勤・通学の時間も貴重な勉強時間になります。ただ、混雑状態によっては勉強が難しいことも。環境に適用した勉強を採用できれば集中して勉強できるでしょう。電車やバスで移動する人なら、参考書を読む、動画教材を使った方法がおすすめ。満員電車で身動きが取れないならリスニング教材を使って勉強しましょう。
自動車通勤ならオーディオブックやリスニング教材など、聞きながら学習できるようにすれば、運転中でも勉強できます。

仕事の休憩時間

昼食後はついうとうとしてしまいがちです。脳の働きが午前中ほど活発ではなくなっていることが影響しています。食事によって血糖値が上がると、血糖値を下げるためインスリンが分泌されます。すると脳のエネルギー源である糖が脳に行き渡らなくなり、活発な働きができなくなってしまうのです。
そこで、昼食後、軽い昼寝をすることで脳がリフレッシュされます。横になるのではなく机に突っ伏す10~15分程度の仮眠がおすすめです。
仮眠後、10~15分間を目安に勉強するといいでしょう。

入浴中

お風呂タイムは勉強が捗りやすい状況です。お風呂に入っているとリラックスできますよね。リラックスしていると脳内にはα波が出ています。α波が出ているときというのは脳の記憶力、集中力が上がるといわれています。
そこで、入浴中におすすめしたいのが暗記系の勉強です。英単語帳を持ち込んだり、ポイントを書いた紙をお風呂の壁に貼ったりするといいでしょう。大切なポイントはリラックスしながらです。勉強しようと意識せず、のんびり湯船に浸かってください。
ただし、あまり長い時間をかけてしまうと集中力が下がりやすいので注意が必要です。あまり長風呂するとのぼせてしまうので、30分を目途にしてください。

就寝前

人間の脳は入ってきた情報を一時的に海馬にストックし、その後、大脳新皮質へと移して記憶を定着させています。その記憶定着の段階で、睡眠は非常に大きな役割を果たすのです。人間は睡眠を開始した直後から記憶の定着が開始され、その後の記憶の脱落が抑制されるそうです。この性質を利用して、就寝前にその日の勉強内容の確認をするといいでしょう。まとめて確認することで、繰り返し効果も期待でき、より記憶の定着に効果的です。日中に覚えたことがしっかり記憶に残っていると達成感も得られるので、勉強のモチベーションにもなるでしょう。
注意点として、ベッドに入ってからスマートフォンで確認するという方法はおすすめしません。睡眠の質を落とすことになるからです。メリハリをつけて勉強するようにしましょう。

集中力が続く時間の長さについて

勉強を効果的に進めるには、集中力について知ることが大切です。大人の集中力は約50分といわれていますが、50分間ずっと集中しているのではなく、実際は15分程度です。15分集中すると、一度落ち込み、また15分集中するという周期を繰り返します。3回繰り返して、落ち込んだ時間を足すと50分になるわけです。
勉強を始めた直後は集中できていますが、しばらくすると注意散漫になってしまう。そこから、勉強を続けているうちに集中力が高まっていくという経験は、多くの人が持っているはずです。そこで、細切れの時間を使って勉強するなら5分以内、しっかり勉強するなら15分以上を目安に勉強するといいでしょう。
有名な時間管理術のひとつにポモドーロ・テクニックというものがあります。タイマーを使用し、一般的には25分の作業と5分の休息で作業時間と休憩時間を分割する方法です。1セットをポモドーロといい、4セット(2時間)程度続けたら15~30分の少し長い休息をとります。集中力と生産性を高められるメリットがあります。

勉強の質を上げるには

資格勉強の質を上げるための方法を紹介します。

1週間単位で短期目標を決める

資格勉強では短期目標を決めて勉強することも大切です。例えば「1年後資格を取る」と「1週間後のテストで70点以上取る」という場合、どちらがモチベーションを高めやすいでしょうか。おそらく後者になりますよね。
長期の目標を達成するためのモチベーション維持は多くのエネルギーが必要です。しかし、1週間の短期目標なら、モチベーションも維持しやすくなるでしょう。モチベーションの維持が難しいという人は短期目標を立ててみてください。

インプットとアウトプットはセットで行う

勉強はインプットとアウトプットがセットです。参考書をひたすら読み込むインプットだけでは長期記憶として定着しません。しかし、声を出しながら読む、内容を思い出してまとめる、テストを受けるなどのアウトプットを行うことで、脳は必要な記憶だと処理し、忘れにくくなります。勉強の質を上げるのであれば、インプットよりもアウトプットを多めにしてみましょう。

オーディオブックを活用する

オーディオブックとは、読むのではなく、ナレーターや声優が朗読した「聴く本」です。通勤・通学はもちろん、運動をしながら、あらゆる場所でながら読書ができます。資格勉強は目を酷使してしまうので、目を休めながら勉強できるのもメリットといえます。

効率的に勉強するうえで気をつけたいこと

限られた時間を有効利用し資格合格を目指すのであれば、勉強に集中できる環境づくりは大切です。

勉強中はSNSを見ない

生活の中に深く浸透しているSNSですが、勉強中にSNSを見ることはやめましょう。うっかりSNSを見てしまうと、気づくと時間が経ってしまったということが起きかねません。つい見てしまうという場合、スマートフォン自体を手の届かない場所に置くようにして対策を取りましょう。

休日に長時間の勉強

平日、勉強する時間が取れないからといって休日に10時間勉強しようと1度に長時間の勉強を計画することはおすすめできません。もちろん、実行可能な計画であれば問題ないのですが、特定の日に負担を増やすと、その日に急な予定が入った場合、まったく勉強ができなくなってしまいます。資格取得に向けて学習習慣をつけるためにも1日30分だけでも勉強するとしたほうがモチベーションを維持しやすくなります。
また、体調不良や予定が入って勉強できない日ができても、別の日にリカバリーしやすくなります。

遊びの誘いは断る勇気も

平日、自由な時間がとりにくい社会人の場合、休日は休息やリフレッシュをとるための貴重な時間です。しかし、資格勉強中は、友人からの遊びの誘いも断らなければなりません。例えば、土曜日の日中、勉強する予定を立てていたばあい、友人から誘いがあり、夜やればいいと出かけてしまった。結果、疲れて夜も勉強はできなかったとなりがちです。
特に勉強し始めの時期は学習習慣がついていないので、後回しにしてしまうといつまでたっても、勉強に手がつきません。友人からの誘いを断る勇気も持ちましょう。

資格勉強を行っていく中で、仕事や家事、育児、介護、趣味などで忙しい人は多いでしょう。限られた時間の中で効率的に勉強するには、今回紹介した方法が参考になれば幸いです。
1日30分でも毎日勉強を継続できれば、大きな力となります。ぜひ、勉強の質を高めて資格を取りましょう。