私は以前、宅地建物取引士(宅建士)の資格取得を目指しました。仕事をしながらの挑戦だったため、最初は「本当に受かるのだろうか」という不安でいっぱいでした。しかし、結果的には一発合格。今振り返ると、限られた時間の中でどう勉強を進めるかが、最大のポイントだったと感じています。

最初に始めたのは、市販のテキストと過去問集を一通りそろえることでした。宅建試験は法律系の知識が中心ですが、私は法律とは無縁の職種だったため、初めは単語の意味すら理解できませんでした。そこで、「完璧を求めず、とにかく読み進める」ことを意識しました。最初から理解できなくても、3周ほど繰り返すうちに全体像が見えてきます。

また、平日は仕事終わりに1時間、休日は午前中に3時間と、あらかじめ「勉強スケジュール」を決めていました。重要なのは「やる時間を決めておく」ことです。疲れているとつい後回しにしてしまいますが、スケジュールに組み込むことで、勉強を“日常の一部”にすることができました。

過去問重視の勉強法が合格への近道

私が一番効果を感じたのは、過去問を中心にした勉強法です。宅建試験は、過去問と非常に似た問題が多く出題されます。最初の2か月はテキストで基礎を固め、残りの3か月はほぼ過去問だけを繰り返しました。

特に意識したのは「間違った問題の分析」です。単に答えを覚えるのではなく、「なぜこの選択肢が正しいのか」「なぜ他は間違いなのか」を自分の言葉で説明できるようにしました。これを繰り返すことで、応用問題にも対応できる力が自然と身につきました。

また、スマートフォンのアプリを活用したのも大きかったです。通勤時間や昼休みなど、すきま時間を使って問題演習を行い、常に宅建の知識に触れるようにしていました。1日10分でも、積み重ねると大きな差になります。

試験1か月前からは、本番を意識して模試形式で勉強しました。時間配分の感覚をつかむために、実際の試験時間(2時間)で解く練習を何度も行いました。最初は焦って全問解けなかったのですが、慣れてくると「どの問題に時間をかけるべきか」が見えてきます。本番でも落ち着いて回答できたのは、この練習の成果だと思います。

合格して感じたこととこれから

合格通知を受け取ったときは、本当にうれしかったです。努力が報われた達成感と同時に、「もっと早く挑戦すればよかった」とも感じました。宅建士の資格は不動産業界だけでなく、金融業や建築関係などでも役立つ資格です。私自身もこの資格をきっかけに、キャリアの幅が広がりました。

また、勉強を通じて「継続の力」を実感しました。毎日少しずつでも積み重ねることで、確実に前進できるという経験は、今後の人生にも大きな自信となっています。

これから宅建を目指す方に伝えたいのは、「完璧を求めすぎないこと」と「続けることの大切さ」です。最初は誰でも分からないことだらけですが、焦らずにコツコツ取り組めば、必ず結果はついてきます。私のように働きながらでも十分合格できます。大切なのは、毎日ほんの少しでも机に向かう習慣を作ることです。

宅建士の資格は、人生を前向きに変えてくれる力があります。迷っている方は、ぜひ一歩を踏み出してみてください。合格したときの達成感は、想像以上のものですよ。